フィリピンもベトナム同様に世界中に労働者を多数送り出している出稼ぎ大国です。ただし他のどの国よりも出国までのハードルが高いのが特徴です(候補者の資格要件、日本側の雇用条件、給与)。
海外への労働者(実習生含む)はPOEA(海外雇用庁)が一括管理しています。送り出し機関もPOEAから認可が必要です。またそれぞれの派遣国にはPOLO(フィリピン海外労働事務所)があり自国民の生活や人権を守るために厳しい審査や指導、監督が行われています。フィリピンから実習生を入れたいと思ったらPOLO東京もしくはPOLO大阪へ面談に行って合格しなければなりません(しかも英語)。
フィリピンの送り出し機関の中で「介護職種」を取り扱っている機関はそれほど多くはありません。またそのほとんどが日本人が何かしらの形でかかわっていることが多く、所在地もマニラとその近郊に集中しています。介護EPA日本語教育などですでに実績がある送り出し機関であれば安心して任せられるでしょうが費用が高額になります。日本から比較的近い距離にありますので視察してご自身で確認されるのが一番です。
なおフィリピンの場合、新規の場合は送り出し機関とは1社しか提携できませんのでご注意ください。
フィリピンから介護職種の実習生を送り出す場合は要件があります。下記に該当するものでなければPOEAからは許可されません。
- 日本語資格N4以上に合格していること
- TESDA 認定のNC II 認定資格(介護のトレーニング資格)もしくは4 年間の保健関連コースの学士号、認証された卒業証書および記録の写しを提出すること。
また日本側の要件として手取り給与(可処分所得)が13万円以上であること(地域によって差異あり、一応の目安、POLO面談にて説明を求められる)
フィリピンは世界中に家政婦(介護付き家政婦)を送り出している国でありホスピタリティも高く日本人との親和性もあり理想的な国ですが、有能なフィリピン人材は日本よりもオーストラリア、カナダ、ヨーロッパ等の欧米諸国を望む傾向があり(英語圏)、受入れ国としての日本も制度を拡充整備する必要があると思われます。